忍者ブログ
ほぼゲーム感想日記 QuinRoseの感想に偏ってます 時折、他ジャンルが飛び交うことも・・・
[166] [165] [164] [163] [162] [161] [160] [159] [158] [157] [156]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今回は魔法使いとご主人様のSSです
以前から御礼SSとして案はあったのですが、なかなか完成させられなかった代物…
かなりお待たせしてしまって申し訳ない・・・

というわけで、ゲーム中のまだくっついてない2人の
アリミラからのミラアリです

素敵作品を下さった梓様に捧げますv
いつも素敵なせらしゅをありがとうございます!
これからもよろしくお願いいたします←


君との距離


「なんてまたベタな…」

目の前の光景を目にしてそれ以外の台詞を吐けるだろうか。

だぶっとした制服に身を包んだ細い肢体。
きらきらと美しく輝く金髪は肩まで流れ、
元々白かった肌は更に抜けるような白さになっている。

「本当に…美少女ねぇ…」

たっぷりと間をとって呟いた言葉からは、
真実そう思っていることがありありと見て取れる。
実際のところ、アリシアの目の前にいる少女は
早々お目にはかかることはできないであろう絶世の美女だ。
しかし、当の本人にとってはその評価は不服らしく、
その美しい顔をこれ以上ないほどに不愉快そうに顰めている。

「それは嫌味か・・・」
「なんでそうなるのよ・・・褒めてるんじゃない。でも、本当にこんなことがおきるのねぇ。流石シンフォニア・・・」

アリシアは感慨深げに呟きながら、
じろじろと不躾なまでに目の前の少女を見分することをやめない。
それに目の前の少女はますます不機嫌になる。

「まぁ、そんなに怒るもんじゃないわよ。ミラー」

ひとしきり見分して満足したのかアリシアはにっこりと笑って目の前の少女―ミラーを宥めるように優しい声をかけた。
それに胡乱気な視線を返していたミラーだが、
アリシアの表情に当初のような面白がるような色を見つけられなかったのか、
少しばかり表情を緩めた。

「まさか、この僕がこんな目にあうとは・・・」

何回りも小さくなってしまった己の体を見下ろし、ミラーは情けない声で呟いた。
全くサイズのあっていない男物の制服が余計にその体を華奢に見せる。
うっとうしいのか、先ほどから袖や裾を捲りあげるが、
それでもずり下がる制服にミラーは苛立ちを隠せないようだった。

「全くどう失敗したらこんなことになるんだ・・・っ」

聞けばミラーは先の授業で、他の生徒の魔法の失敗に巻き込まれ性別が女になってしまったという。
解呪しようにも、失敗した魔法だけにその構成が分からず未だそのままらしい。

「シンフォニアみたいに優秀な生徒ばかりでもそんなことがおきるのね。」

どこかのんきな声でアリシアは呟けば、ミラーは苛立ちながらも律儀に回答する。

「まぁな。優秀といってもその能力には上から下までやはり差がある」
「でも皆なまじっか優秀だから、失敗したときの対処も難しい・・・と」
「そういうことだ。まったく・・・忌々しいどんな魔法構成を組んだらこうなるんだ」

言葉を荒げながら先ほどからミラーは何事か呟き自身に魔法解析の魔法をかけ続けている。
それを横で何をするわけでもなく見ていたアリシアだったが、
あることに気づくと、ふらりと立ち上がりミラーの傍へと近づいた。

「ねぇ、ミラー」
「なんだアリシ・・・ひゃぁっ」

つっ、と大きすぎる制服から大きく覗いた肩にアリシアが指を這わせれば、
指を這わした本人も驚くべき声がミラーから上がった。
あげたミラー自身もまさか自分がこのような声をあげるとは思っていなかったらしく、
口を手でふさぎながら顔を真っ赤にさせて小刻みに震えている。

「・・・。ずいぶん色っぽい声をあげるのね・・・」

はじめは驚いていたアリシアだが、ミラーの反応ににんまりと意地の悪い笑みを見せた。
その笑みにミラーはといえば、嫌な予感しかしない。

「うっ、うるさいっ。君こそなんて触り方をするんだ!はしたない・・・」
「失礼ねぇ。私はただ肩が丸見えだったことを指摘してあげようとしただけよ。あんたこそ肩丸出しにしてはしたないわね」
「しっ、仕方がないだろう!?制服が大きいのだからっ」

わが身を守るように、己の肩をかき抱きながら、
相変わらず顔を真っ赤にさせたままミラーは抗議する。
大きな制服ははだけ、ところどころのぞく白い肌。
ぬけるような白い肌は羞恥からかその頬と同じようにところどころ朱に染まっている。
その様は清楚可憐なくせに壮絶な色気を放っている。

「うわぁ。私なんかいけない気分になってきたわ・・・」
「はぁ?君は何を言っているんだ・・・」
「ううん。なんでもないわ。それよりミラー。今から私の部屋に来なさいよ。」

さっきまでの意地の悪い笑みはどこへやら、
打って変わってアリシアはにこやかな笑みを見せた。
その変わりようにミラーは不信感しか抱けない。

「なんで君の部屋に行かなければならないんだ。行く訳ないだろう」
「そんなこと言うもんじゃないわよ。あんたその格好だと何かと不便でしょう?私の服を貸してあげるわよ」

なんでもない風に言うアリシアにミラーはぶるぶると震え、アリシアはその様に首をかしげた。

「なっ、何を言っているんだ君は!!そんなことで男子を自室に招くなど…っ!女子としての自覚はないのかっ!!はっ、はしたない・・・」

憤りのままに怒鳴ったはいいが、アリシアの言葉に恥ずかしさもあったのか、
言葉の最後の方が力なく尻すぼみになるのが面白い。
ミラーのそんな様子にアリシアはますます調子に乗ってミラーの方へ乗り出す勢いで言い募る。

「いいじゃない。それに、さっきも言ったけど、あんたのその格好のほうがよほどはしたないわよ」

それは十分理解しているのか、ミラーは制服を再びかき抱き言葉を詰まらせる。
これはもう少し押せばいけると思ったアリシアは最後の止めとばかりに言葉を続ける。

「それに・・・」
「それに、なんだ?」
「その格好、まるで事後に男の服を着ている女みたいよ?」

アリシアは出来るだけニンマリと笑いからかうように言った。
それにミラーは案の定目を見張り、言葉を詰まらせる。
そのさまが予想したとおりでアリシアは楽しくてたまらない。
いたずらが成功した子供のようににやにやと笑いを深めた。

「なっ、何を言ってるんだ君はっ!!!」

アリシアの発言があまりに衝撃的だったのか、
暫くその場で固まっていたミラーであったが、
次の瞬間これまで以上の大声を張り上げた。
それは思わず耳を塞ぐほどの勢いで、
アリシアも体をびくりと震わせ、顔をしかめながらその耳を塞いだ。

「うるさいわね・・・というか、今の大声で絶対人が来るわよ」
「あっ・・・・」

激昂して大声を張り上げたミラーは肩で息をしていたが、アリシアの言葉にしまったとばかりに今更ながら口を塞いだ。
プライドの高いミラーは女性となったこの姿を誰にも見られたくなかったのは勿論、
自分がこのような魔術にかかってしまったという事実を誰にも知られないため、
空き室だった教室でひっそりと魔術解析と解除を試みていたのだ。
それが先ほどの大声。
特に魔法で何かが起きたというわけではないが、興味本位で覗いてくる者がいないとはいえないだろう。

「もう、あんたって時々抜けてるわよね」
「きっ、君に」
「はいはい、今は反論は聞かないわ。付いてきなさいよ」

連れて行くならば人が集まる前に連れて行きたい。
アリシアはミラーの続く言葉を無視してがしっとミラーの腕を掴んだ。
いつもはアリシアの腕をすっぽりと掴めてしまう手も今はアリシアと同じくらいの小ささで、
アリシアは難なくミラーの細腕をつかみずるずると無理やりその体をその場から引っ張っていった。

 

 


「これかしら、うぅん・・・、これもいいわね。」

ミラーを自室に連れ込んだ、アリシアは自分のクローゼットを物色し、
先程からあれでもない、これでもないとミラーに着せるドレスを選んでいる。
連れ込まれたミラーはといえば、先程から所在無さげにそわそわと部屋のソファーに座っていた。
いくらシンフォニアにいる期間の仮住まいとは言えそこかしこにアリシアの気配を感じる。
意識しないよう務めるのに、そう思えば思うほど意識してしまい、ミラーは一人顔を真っ赤にさせていた。
そんなミラーのことなどまるで気づかずアリシアはドレス探しを続けている。
ミラーは早く終わってくれとばかりにぎゅっと目を瞑り手を握ってその空間に耐えていた。

「これなんかどうかしら?」

やっと満足いくものが見つかったのかアリシアは1枚のドレスをミラーの前に差し出した。
差し出されたのは濃い青のシンプルなドレス。
アリシアは自身で剣を持って自衛することもあるせいか、
フリルがたくさん付いたような華美なものをあまり好まない。
ミラーもそれを知ってはいたが、差し出されるそれがシンプルなものでとりあえず安堵の溜息をついた。
差し出されたドレスをおとなしく受け取りミラーはもそもそと着替えからある一点に気がついた。

「プ、プリンセス・・・」
「ん~?」

ドレスのある部分を抑えながらアリシアの方へと振り向けば、
どうやらミラーの着替えを始終見ていたらしいアリシアは
どこか慌てふためいたミラーの言葉にもだらしなく机に肘をついた体勢で生返事を返した。

「なんか問題でもあった?」
「そっ、その、サイズが・・・」
「サイズ?別に今のあんたと私そう大きさも変わらないと思うけ・・・あぁ・・・」

アリシアは訝しげにミラーに返事をしたが、ミラーの抑えてる部位を見て察したらしく。
納得したように頷いた。
皆まで言わずとも察してくれたアリシアにミラーは少しばかり安堵したが、
内容が内容だけに全身を真っ赤にさせたままその場で固まってしまっている。

「確かにあんた胸は小さいわね」

ミラーの苦労も構わずアリシアはずけっと言葉にすると、にやにやと意地の悪い笑みを浮かべてミラーを見つめた。
アリシアの体にしつらえられたオーダーメイドのドレスは、
アリシアが着ればその肌に吸い付くようにぴったりとあい綺麗なラインを見せるが、
アリシアと比べ胸が小さなミラーにはバスト部分において少しばかりドレスのサイズは大きく、
胸もとがだらしなくたゆみ、襟ぐりが大きく開いてしまっていた。

「まぁ、制服よりは着れてるしいいじゃない。それにしても・・・」

相変わらず何においても適当なアリシアはミラーの主張も無視し、
むしろ意地の悪い笑をそのままにつつっとミラーに近寄った。

「なんだかかわいいサイズじゃない~!」
「なっ!?うわっ!」

近寄ってくるアリシアに警戒していたミラーだがその甲斐虚しく、
胸もとをかばったままのミラーは抵抗らしい抵抗もできないまま背後からがばっとアリシアに襲いかかられた。

「なっ、何をするんだっ君は・・・あっ、んあっ」
「いいじゃない女同士なんだから」

アリシアは女の力でまともな抵抗のできないミラーに調子に乗り、
背後からミラーの胸を鷲掴み揉みしだいている。

「ちょうど手のひらに収まるサイズね。」

もみもみ

「なんかあんたって女になっても綺麗でむかつくわ・・・」

もみもみ

「いっ、いい加減にしないか!!」

暫くおとなしくされるがままになっていたミラーだがアリシアの遠慮のない行為についに堪忍袋の緒が切れたのか、
大声を上げ、アリシアを振り切るようにばっと手を挙げた。

「わわっ」

いきなりのミラーの行動にアリシアはバランスを崩し後ろへと倒れかけたが、幸い後ろにはベットが置いてありアリシアは

そこへ倒れこんだ。
そしてそのまま体を起こそうとしたとき、ミラーが想像し得ない行動をとった。

「ミラーっ!?」

どさりとベットが自分の重みを受け止める音と、ぼすっと何かを叩きつけたような音をアリシアはどこか遠くで聞いていた。
目の前にはすぐミラーの顔がある。
アリシアの横に手をつき、ベットに押し倒す体勢でミラーはそのまま自分の体の下にあるアリシアを見下ろしていた。

「どっ、どうしたのよ・・・」

さっきまでの慌てた様子はなりを潜めたミラーの真剣な眼差しにアリシアは声を震わせた。

「君という人は・・・本当に・・・」
「ミラー?」

苦しげな表情に、苦しげな声。
潤んだ瞳は悲しげにも見えるのに、その瞳の奥には何か激情の炎が見えるような気がした。
悲しそうに、苦しそうにその表情を歪めているのに、どこか男の欲望を思わせる色を浮かべる複雑な表情。
ミラーのとても綺麗な顔が歪められるその様に、いつものアリシアであれば優越感に浸っただろうが、
今はアリシアにもそのような余裕はなかった。

「人の気も知らないで・・・っ、どれほどこの僕が・・・っ」

今のミラーは女でなんの危険性もないはずなのに、
その表情はまごうことなく男のものでアリシアはごくりと息を飲んだ。
ミラーが次にとる行動が読めず、アリシアは人知れず身を固くする。

「君は・・・慣れているのか?」

複雑な表情のままミラーに
いきなり問われてアリシアは首をかしげた。
一体何に慣れているというのか、先程まで行っていた人の胸を揉むという行為ならば、
アリシアとて先ほど女同士とは言ったがこれまでやったことなどなかった。
魔法が使えないとは言えプリンセス。
付き合う相手はといえば、貴族といった人たちばかりでそのような行為をする者もいなければ、
そこまで親しくする者もいない。
だからそんな行為に慣れているわけはない。
アリシアが疑問をその顔に浮かべていると、ミラーは言葉を続けた。

「さっき言っただろう・・・事後の・・・」

そこまで言ってミラーは言葉を詰まらせる。
しかし、そこまででもミラーの言わんとすることはわかった。
先ほどアリシアが言ったセリフ。
あんな軽口をミラーは本気で捉えたというのだろうか。

「まさか・・・君はもう・・・」

表情をより悲痛そうに歪ませてミラーは声を振り絞る。
男を知っているのか・・・。
続く言葉はだいたいそんなものだろう。
だが、そんな誤解を受けてはかなわない。
自身の名誉のためにも誤解をとこうとアリシアは口を開いたが言葉がその口から出ることはなかった。

「むぐっ」
「言うなっ・・・」

ミラーの今は小さい手で、けれど思いのほか強い力でアリシアの口は塞がれた。

「聞きたくない・・・っ」

だったら聞くな!という反論も塞がれた手のひらに吸い込まれていく。
口を塞がれた当人よりも苦しげにミラーはつぶやき、アリシアの首筋に顔を埋めた。
その息遣いを肌で感じアリシアは体を震わせる。
傍に感じるぬくもり。
それは昔はよく感じていたはずなのに、いまとなっては遠く昔を懐かしむもの。
だが今のアリシアはこの体勢でどうすればいいのかわからない。
目の前にある体を突き放せばいいのか、
はたまた腕を伸ばしその体に回せばいいのか。
どうすればいいのか・・・、自分がどうしたいのか分からない。

昔は何も考えずただ傍にいればよかった。
しかし、月日は流れミラーはアリシアから離れた。
2人の間におかれた距離と、離れていた時間がアリシアに2人の距離感の測り方を分からなくさせた。
どこまで近づけばいいのか、
どこまでなら近寄っていいのか分からない。

暫くどうすることもできず、沈黙が続いたままその体勢でいたが、
唐突にミラーがむくりと起き上がった。
先程までの激情などまるでないように、
その顔には情熱も、欲望も、苦しみもなくただ綺麗なだけの表情があった。
そしてベットから降りれば何故かせっかく着たドレスを脱ぎ、
今の体には大きすぎる自分の制服を着直した。

「学校では君の私服は目立ちすぎる。気持ちだけありがたく受け取っておくよ」

脱ぎ捨てたドレスを簡単にたたむとミラーはそう言い捨ててあっけなくアリシアの部屋をあとにした。
ミラーの行動に呆然とするしかなかったアリシアはミラーが部屋をあとにしてやっとベットを降りる。
何を思ったわけでもないのにふらりと脱ぎ置かれたドレスに近寄る。
それを手に取ればそんなに長い時間身につけていたわけでもないのに、それはまだほんのり暖かかった。
そっと胸にドレスを抱き、そのまま鼻を埋める。
先ほどミラーがアリシアの首筋にその顔を埋めたように・・・。
ドレスからはミラーの香りがするような気がして、それがまたアリシアに何とも言えないような気にさせる。

「馬鹿・・・」

そう呟かれた言葉は一体誰に当てられたものなのか。
それはおそらく本人にもわからないことだった。


お粗末さまでした~
いかがでしたでしょうか?
この三連休で絶対終わらせる!と急ぎ作ったのでところどころ文章が雑なので、
もしかしたら後々修正するかもです。
とりあえずノリで読んでいただければ幸いです

でも、よかった~ミラアリで終わって←
最初は単なるコメディで、ミラー女体化してアリシアに押し倒されたまま終わる予定でしたwww
さすが押し倒されたい系男子ミラー!!!
気を抜くとすぐにアリシア様に押し倒されています・・・

 







PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
オメルタ CT
最新コメント
プロフィール
HN:
夜羽
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索