同じく第二回QR王様ゲーム（http://allhallowsk.web.fc2.com/king/）に投下したSS
お題は
【アリスと白黒ウサギ】
ｂｙ恵さん
でした
なんかね同じ世界にいない２人だから、本当に考えるのが難しくてだね・・・
こっちはパロに入りました・・・
2人とも好きなんだけど
私のアガペはペーターだからだいたい毎回シドニーがかわいそうな話になるのよね
真面目に考えると…
そんな私は初のシドニーﾊﾋﾟｴﾝっぽい←作品ですよ！
まぁ、ここからどうとでも展開できるとこまでしか書いてませんが・・・
というわけで、ペタシド兄弟王子パロSSどぞ～
狂わせたのは貴女
忌々しい！忌々しい！
先程からシドニーの頭にはその言葉しかなかった
どかどかと大きな音をたてて廊下を歩く
常ならば想像もできないその荒々しい態度に使用人たちが振り返るが、今のシドニーにはそれ見とがめる余裕もなかった
それこそいつもならば気に食わないだけを理由に振り返る使用人たちの頭をぶっぱなすというのに
そんなことどうでも良いくらいに今のシドニーは別のことで苛立ち、その思考は茹だっていた
シドニーはついさっき起きたことを思い出す
今日いきなり自分の婚約者だと紹介された少女
貧相で、いいところなぞどこにもないような少女
勝気な瞳に、利発そうな顔
でもどこか冷めたような、諦めたような表情をしていた少女
この少女で「妥協してやる」のは自分だというのに、まるで自分は被害者かのような表情
その上自分が選ばれる立場だという
今まで自分が選ぶ立場だった
シドニーはこの国の王子だ
今代の王の第二子
つまりは第二王子だ
王子として自分にはいつも最高のものが与えられ
その中から更に自分で選抜してきた
だが自分も王子たる自覚をもち
それに見合うだけの努力してきた
例えこの国史上類を見ないほどに優秀だと褒め称えられる第一王子と比べられようと・・・・・・
ペーター＝ホワイト
この国の第一王子でシドニーとは腹違いの兄
いつも涼しい顔をして全てをこなしてしまう優秀な兄
シドニーはいつもこの兄と比べられ、その影に埋もれてきた
兄のそのあまりの優秀さに王位なぞとうの昔から第一王子に譲られるのが確定していたようなもので
シドニーはそのスペア扱いだった
それが嫌で
許せなくて
血が滲むような努力をした
その甲斐あってかシドニーも皆に見直されるようになった
この国始まって以来の優秀な２人の王子と褒めそやされるようになった
それでもペーターの表情は変わらない
自分の地位が脅かされるようなものなのになんの焦りも見られない
どれだけ突っかかろうとペーターはシドニーを歯牙にもかけない
シドニーは生まれてこの方この兄の表情が変わったところなど見たことがなかった
歪むことのない陶器のように白く美しい顔だち
何もうつさない冷酷な赤い瞳
それなのに・・・
「アリス！！アリス！！！」
目の前の光景が信じられなかった
歓喜に打ち震える兄
白磁器の頬を赤く染め
興奮のあまり息は荒く
その瞳にはどこか狩猟本能めいたものが見受けられた
体いっぱいに愛を、想いを表現する兄
そして自分には冷めた表情しか見せなかったくせに迷惑そうに顔を歪める少女
嫌そうな顔を向けられるなど良い事ではないはずなのに
そこにはどこか気安さが見受けられてシドニーは知らずぎりっと手を握り締めた
頭が沸騰しそうだ
そのままそこにいれば自分が何をするか分からずシドニーは無礼と承知ながらも
挨拶もないままその部屋をあとにした
扉が締まる寸前見えたのはきょとりとした表情の少女
あぁ、なんで自分は振り返ってしまったのだろう・・・
違う表情を見れたことに心動かされるなんて信じたくなかった
少女の姿を、兄の姿を思い浮かべシドニーは歩き続ける
もはや自分は何に、誰に苛立っているかなんて分からなくて
分かるのはただ一つ
一人の少女が変わるはずのない僕たち二人を狂わせた
「アリス・・・っ！」
初めて呼んだその名前にどんな色がついていたかなんて考えたくもない
結構この設定気に入ってしまって、地味に続きを書こうかなぁと思ってる次第です
一応適当ながら設定考えたし！
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