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ほぼゲーム感想日記 QuinRoseの感想に偏ってます 時折、他ジャンルが飛び交うことも・・・
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ハッピーバレンタイン!
―も、もう過ぎましたが、なんかネタが浮かんだので書きました

菓子パンはあまり回想を見返さないので、
まずは回想を見返すところから始める・・・
それでもなかなかフィニッシュまでたどり着けずなかなかの難産でしたがなんとか完成させました!
結構流れが微妙なのでまだ手直しするかもしれませんが、とりあえずうpします!





あんたに贈るレシピ


【St. Valentine's day】
それは国によって、男性から贈り物をしたり、
何故かチョコレートを贈ったり、
その形態は実に様々だが、
共通して愛の日であるという認識に違いはないだろう。

ウェンディの知る現実世界から切り離されたここ、
ネバーランドにおいても、
これまで様々な審査官が訪れてきた為か、
一応バレンタインという風習はそれなりに知られているらしく、
毎年この時期はちょっとした盛り上がりを見せるらしい。

ただ、審査員が様々な所から来るせいか、
色々な形のバレンタインを取り入れているらしく、
その様子はとても煩雑だ。
だが、それが退屈を嫌い、楽しいことを好む
ネバーランドらしいといえばらしいバレンタインである。

街中を見渡せば、
色々な店がバレンタインにあやかるように
様々な趣向を凝らした販促を行っている。

そんな中、ウェンディもネバーランドに来てから初めてのバレンタインに
興味深そうに街中を見て回っている。
賑やかな街の様子にウェンディもどこか浮き足立つ。

先にあったお菓子コンテストでも、
街は賑わいを見せていたが、
あの時は自分たちが当事者であったし、
それを差し引いても当時の心境では、
とても街の賑わいを堪能する気分にはなれなかった。

きたるバレンタインに向けて贈り物を探すべく
ウェンディは街中を当てもなく歩き回り、
興味を引く店があれば中を覗いてみるということを繰り返し、
その日をすごしていた。

ウェンディの恋人は、
その気になれば何でも手に入れることができる人で、
その審美眼もなかなか高ければ、
好む物に対しての拘りも強いので
そんな人に何か贈り物をしようと思うと
選ぶのに力も入ろうものだ。

贈り物なぞ気持ちのものだとわかっているが、
どうせ贈るなら喜んでもらいたいと思うのが心情だろう。
そんなことから一応の目星はつけていってはいるものの、
これと言った物も見つからず、
ウェンディは街中をぶらついていた。

それなりの時間街中をうろつき、
流石に足が疲れてきたので、
喫茶に入ろうかとあたりを見渡した時、
あるチラシが目に飛び込んだ。

「これは……?」

 

―2月14日当日。

ざわついた会場の中、ウェンディとフックはいた。
先日ウェンディが街で見つけたチラシは、
年に1度バレンタインの日に開催されるというチョコレートの祭典の広告だった。
何故バレンタインの日に開催されるのかは不明だが、
なんでもある国ではバレンタインのメインはチョコレートらしく、
ある審査員がその風習を持ち込んで以来この日にチョコレートの祭典が開催される事になったのだという。

チョコレートの祭典とは、その名の通りチョコレートばかりを集めた祭りで、
大きな会場には、老舗のチョコレート店、有名なチョコレート店、
新規新鋭のチョコレート店と、この世界の様々な国からのチョコレートが出店し、
会場全てがありとあらゆる国のチョコレートで埋め尽くされている。
試食も勿論できるし、ちょっとしたコンテストのようなものあるようで、
祭りは大変な盛り上がりを見せていた。

―そこにかの有名な海賊が交じっていても気づかれない程度には……

「本当にすごい人だかりね…」
「あぁ、まったくだぜ。うっとうしい……すこし静かにさせるか?」
「やめなさい…」

ウェンディの何気ない呟きを拾い、人の悪い笑みを浮かべるフックに、
ぐいっと服を引っ張り妙な事をしないよう抑止する。
せっかくのデートを台無しにされてはたまらない。

ウェンディはあの日見つけたチラシでチョコレートの祭典の事を知ると、
これはフックを誘うしかないと思いすぐさま誘った。
誘った後に、このフックのことだから既に言った事があるかもしれないと思い当たったが、
聞けば買い出しに部下を行かせたことはあっても自分は行った事がないという。
それならば幸いと誘い、フックも珍しくウェンディから誘ってくることが嬉しかったのか二つ返事で了承し、
2人でチョコレートの祭典にいく事となった。
来るまでに部下たちが付いてくる、ついてこないで大もめしたが、
何とか抑え2人きりで来ることが出来た。
フックの立場も、部下たちの気持ちも分かるが、
やはりバレンタインの日のデートに部下同伴というのは遠慮したい。

来てみればチョコレートの祭典は年に1度しか開催されないせいか、
大変な盛況ぶりで、
いつもフックとデートするときは閑散としたところを2人で歩くことになっていたので、
2人してにぎやかな所を歩くというこれはこれで珍しい経験をする事ができた。
初めは慣れない人ごみに不機嫌になるかと思ったが、
フックもチョコレートに満たされたこの場にご満悦なのか大人しくウェンディの隣を歩いている。

しかしながら、流石チョコレートといえばフックと言われるように、
フックはだいたいの店のチョコレートは知っているようで、
会場を歩くばかりであまりもの珍しそうにする事は無かった。
かたやウェンディはフックといるようになってから、
圧倒的にチョコレートの知識は増えたが、
それでもフックに比べればまだまだ浅く、
会場で見るものはもの珍しい物も多い。
次から次へと出てくるチョコレートに目をキラキラさせていた。
そんなウェンディが可愛いのか、
フックは会場のチョコレートよりはウェンディの方ばかりを見ているようだった。
そんなフックと目が合えばウェンディはその度頬を染め、
自分ではなくチョコレートを見るように促す。

ウェンディはフックと2人でこれただけでも嬉しかったが、
やはりフックを喜ばせたくて誘った以上、
フックにもこの祭典を堪能してほしかった。

(やっぱりチョコレート知り尽くしたフックには退屈だったかしら…)

ウェンディがそんな後ろ向きな思考に浸り始めていた時、
フックがその歩みを止めた。

「へぇ、あんなのもいいな」
「えっ?どれ??」

この会場に来て初めて興味を示したフックにウェンディは喜びの声をあげ、
さっきまで俯きかけていた顔をばっと上げた。
だが、顔をあげてフックが見つめる先を認めた途端ウェンディは目をぱちくりさせた。

落ち込み始めていたウェンディは自分がどこに来ていたのか把握できていなかったが、
気づけば2人はチョコレート店のブースを通り過ぎ、
展覧会のようなブースにいた。
そこにあるのは、チョコレート細工の数々。
そしてフックの目線の先にあったのは、
チョコレートでできた服を着たスタイル抜群のマネキンだった。

「……えっと…フック…?」

嫌な予感しかせずウェンディはギギッと首を回し横のフックを見上げる。
見ればフックは顎に手をあてにやにやと笑いながらその作品を見ている。

「めっ、珍しいわね。フックがあんなのに興味を持つなんて。
 チョコレートは観賞用にはしないと思わってたわ。」

チョコレートは綺麗な細工がされるものが多く、
フックは美しいものも勿論好んで食べるが、
何よりもその味を最優先させる男だ。
そんなフックがいくらチョコレートとはいえ明らかに食用でないチョコレートに目を向けるとは思わなかったからだ。

「あぁ、俺も食べれないチョコレートには興味なかったが。今の俺なら美味しくいただけそうだ」

フックはにやりとますます悪人よろしく笑みを深め、
意味深にウェンディを見下ろした。
その笑みにウェンディはたらたらと冷や汗を流す。
悪い予感はあたるものだ。
フックの考えている事をなんとなく予想してウェンディは心なしか後ずさる。
だが、すぐさまフックにがっちり腰を掴まれて退路は断たれる。

「ウェンディ……」

腰に回した手はそのままに、フックがかがみウェンディの耳元に近づき言葉を吹き込む。
その低く響く声にウェンディは体を震わせた。

「えっ、えっと……フック…?」
「あんたはどんなのが良い?」

フックの頭にある考えはもはや決定事項の様でウェンディは表情をひきつらせたじろいだ。

「えっと…、あんなの着ている途中に溶けちゃうし、もったいないわよ。ほら、あなたの大好きなチョコレートを無駄にするわけにはいかないわ。」
「あぁ…、チョコレートはひとかけらも無駄にするわけにはいかねぇ。」
「ほっ、ほらね?だから…」
「あぁ…、だから余さず食い尽くしてやるよ…」

耳元に口を寄せていたフックはそのままウェンディの耳たぶにかぶりついた。
ウェンディの最後の悪あがきもそのまま言い含められウェンディはますます体を強張らせた。
このままではフックの望むままにチョコレートの服を着させられ、
チョコレートプレイに突入しそうだ。
それは激しく遠慮したい。
そんな新たな扉を開けるようなプレイは何とか回避しなければと、
ウェンディは体をかける甘い痺れを霧散させるように首を振り必死に他の言い訳を探し出す。

「でっでも、あれマネキンが着てるから溶けないのよ?あんな体のラインに沿わして作るものなんて、
人の体でやったら作ってる途中に溶けちゃうわよ…!」

やっとひねり出された止める理由にフックもぴたりと手を止め考え込んだ。

「ふん…確かにそうだな…」

フックの呟きにウェンディはほっと体の力を抜いた。
だが、ウェンディは自分の恋人の執念深さを忘れていた。

「そうとなればさっさと帰って方法を考えないとな。」

そうだフックはチョコレートには手間暇を惜しまない。
自分の好みのものを探し出すのに配合を少しずつ変えるという、
ショコラティエでさえやらないであろう手間をかけるようなチョコレートホリックなのである。

自分の好きなものには異常に力を注ぎ、研究熱心な恋人は
来年までには必ず途中で溶かさずにウェンディのサイズで作り、
着させる方法を探し出すだろう…

そのことを思えば今から思いため息を吐く事しかできない……
愛の日であるはずのバレンタインを来年はこんな気重な気持ちで迎えなくてはいけないとは…

「あんたにはとびっきりのものを用意してやるからな!」

ウェンディの方を振り返りとびきりの笑顔を見せるフック。
その笑顔にウェンディは一瞬目を奪われた。

行動が常人の斜め上をいっていようと、それが愛情表現である事はウェンディとて分かる。
チョコレートに限らずフックは己の好きなものには手間暇を惜しまない。
それは大事にさせる宝石たちからも分かる。
そしてフックにとってはウェンディとてそんな大事な宝石の中の一つ。
いや、唯一のもの。
そんなウェンディに中途半端なものを用意するはずがない。
その言葉通り、今日見た物以上に素晴らしい作品を用意してくる事だろう。

気重である事に変わりはない。
でもフックの気持ちを想えば断りきれないどころか、
頬が緩んでくる自分に、どうしようもない自覚はある。

(仕方がないわね…今から来年のバレンタインの覚悟をしておきましょう…。)

ウェンディはそんなことを想いながら帰路につくフックの背中を追いかけた。

「スミーに手伝わせるのだけは阻止しないと…」

こんな事にスミーの手を借りる等恥ずかしくて憤死してしまう。


しかし、ウェンディはもう一つ懸念事項を忘れていた。
バレンタインの日といわず、ましてチョコレートの祭典といわず
フックにとっては毎日がチョコレートの日であることを…
フックが早々に方法を見つけ出し、ウェンディが新たな扉を問答無用で開けさせられる日は果たしてそう遠くはなさそうである。


お粗末さまでした~
なんか一応バレンタインと言えば、チョコ
チョコと言えばフックだよね?という考えは結構前々からあって
フックで書ければなぁと漠然とした思いはあったんですが、
如何せんネタが思いつきませんで…
当日は急きょ思い浮かんだ安定の大陸ネタでいったんですが
その後、失恋ショコラティエ読み返してたら
チョコレートの祭典のこと思い出しまして、
そこから、
フックとウェンディが2人でそれに行ったら~と思いつき
こんなネタが出来上がりました!
フックすっごい凝ったチョコのドレスとか着させそうです!
てか、そんなの見てみたいです!
誰か描いて欲しいなぁ~

初フクウェンでしたが結構楽しく書けました
フクウェンは既に素晴らしい書き手の方がいらしてるので
自分は読み専のつもりだったのですが、
バレンタインということで頑張ってみました
楽しんで頂ければ嬉しいですv

 

 


 

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