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ほぼゲーム感想日記 QuinRoseの感想に偏ってます 時折、他ジャンルが飛び交うことも・・・
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いま盛り上がっているせいか華アワセが非常に書きやすいので、
鉄は熱いうちに打てとばかりに書き上げた華アワセ第2弾

すごいね!
連続投稿だよ!
まさか今年に入って月に2回も記事更新できるとはっ!
これが続くと良いね
てか、続けないとね

というわけで
華アワセSS第2弾です
しかし、今回はCPのお話でなく、蛟の独白SSです
設定は、蛟編姫空木√の姫空木がお亡くなりになった後です

蛟が勝手に一人浸ってます
中身のあるお話をお求めの方はスルーでお願いします
それでもおkな方はいつも通りつづきからずずいっとどうぞ!!


月と蛇


あの悲しい事件―姫空木がこの公園で粛清されてからはや1年が経った。

いつも傍らにいてくれた存在がいないなど、未だに実感がわかない。
激情しやすい自分を穏やかに宥めてくれたのは幾度か知れない。
姫空木の傍では自分も穏やかでいられるような気がした。
いつも助けられていたのだ。
自らを律し、人に頼らずにいた筈の自分が、
姫には甘えていたことに亡くしてから気づいた。
姫が自らを何と評しようと、あの姫も確かに姫だったのだと思う。
それは自分が思い込みたいだけなのかもしれない。
そうあって欲しいという願いなのかもしれない。

それでも―

確かにあの2人の穏やかで、柔らかな時間はあったのだ。

あれから彼女には会っていない。
まだ心臓を握られるような痛みはあった。
それでも姫を思えば彼女に会うことはできなかった。

自分の気持ちが姫に負けていたとは思わない。
まるで自分を見ているかのような思いを抱かせるほどに、
姫の気持ちは分かった。
きっと自分も道を間違えばあの程度のことはしていたかもしれない。
いや―ミズチの血が流れる自分では更に酷いことをしていたかもしれない。

 


今日もいつもの様に親友に手向け花を贈ろうかとあの公園に寄ったが、
彼女の姿がありすぐにきびすを返した。

手すりにもたれ街並みを見下ろす彼女の姿。
後姿だけしか見えなかったというのに、
すぐに彼女だと分かった。
彼女の姿を認めれば、胸に甘い痛みと苦い苦しみが沸き起こる。
一目、それもほんの一瞬視界に入れただけだというのに自分はまだこんなにも彼女を…
いつまで自分は我慢できるだろうか。

―そんなことを思っていたというのに……

彼女の急逝の知らせを受けたのは、それの暫く後だった。
交通事故だったという。
ひき逃げの犯人は未だ捕まっていない。
それが偶発的なものだったのか、何者かの手による故意な事故だったのかその真相は闇の中だ。
しかし、それももはや関係のないことだ。
彼女がこの世からいなくなってしまったという事実は変わらないのだから。
たとえ離れていたとしても、彼女と会えない間の痛みや苦しみを我慢することができたのは、
それでも彼女がこの世界のどこかにいると思えたからこそだ。
だが、その彼女はもういない。
いろは様は彼女は破滅の道を選んだとおっしゃられていた。
それが本当に意味することは分からない。
それでも自分もまた選択を誤ったのではないだろうかと思う。
自分が傍にいれば、彼女を守れたのではないか。
自惚れかもしれないが、そんなことを後悔と共に思ってしまう。
だが後悔してももう遅い。
彼女は逝ってしまった。
あのはにかむような微笑を見ることはかなわない。

見上げれば眩いばかりに輝く月の中に彼女の微笑を見た気がした。
いつも自分はあの光には届かないのだと思い知らされた気がして、
その淡い光からそっと目をそらした。


お粗末さまでした


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