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ほぼゲーム感想日記 QuinRoseの感想に偏ってます 時折、他ジャンルが飛び交うことも・・・
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お久しぶりの更新でございます。
twiterを始めてからというもの、日々の感想をほぼそこで呟いてるので
そろそろこっちが創作専用のブログとなりつつあります。
そもそもゲームプレイ中は熱中しすぎて呟きすらしませんしね
プレイログなんてとてもとても…

さて、話は変わって久々の更新は相変わらず二次創作ですよ~
ミラー×アリシアで結婚話
友人が近く婚姻届を提出するということで、ぽっと浮かんだネタ
それに6月だしジューンブライドで良いんじゃね?とがしがし書きました
結婚話と言っても結婚式ではないですよ~
そっちはだれか書いてほしいです!
ミラアリで結婚式を是非!
そしてその招待客に招待してほしい!!

と、荒ぶったところでいつも通りSSはつづきからどぞ~





幸せの形=相互所有

見られている。
確実に見られている。
痛いほどに感じる目線にアリシアのため息がこぼれる。
 
 
「どうした、アリシア?手が止まっているぞ」
 
やっとアリシアの手元から目線を外したミラーと目が合う。
見つめてくるその瞳には、先ほどまでのどこか切羽詰った様子は見られない。
 
(この男はこの期に及んで何がそんなにも心配だというのかしら)
 
ミラーの目の前、アリシアの手元にあるのは、必要事項が全て記入された婚姻届だ。
ミラーの名は既に記入されており、後はアリシアの名を記すのみとなっている。
それでアリシアもフェルデナンデス家の一員となる。
長く意地を張り合ったような関係を続けてきた。
その中でも確かに愛を育み、やっとその関係に一応の終止符を打つ。
今日からまた新しい関係を築くのだ。
口にはしないが、アリシアにしてみればミラーの執念に観念してやったような気分である。
 
「そう見ないでちょうだい、ミラー。なんだか書きにくいわ」
「なぜだ?僕に見られていようと別に問題ないだろう?」
 
しれっと答えるミラーにアリシアは再びため息をこぼす。
 
「そんなに見られると手元が狂いそうだわ」
 
正式文書である為、書き損じは許されない。
だからこそアリシアは先ほどから気持ちを落ち着かそうとしていたのだが、
そんなことは関係なしに一足先に名前を書き終えたミラーは、
名を書こうとするアリシアの手元を食い入るように見つめるのだから、
アリシアの気は散ってしょうがない。
 
「心配ない。うかつな君のことだから、書き損じる事もあろうかと、たくさん予備を用意させてある。心置きなく書くといい」
 
その一言でぴしっとアリシアの額に青筋が入る。
 
一体何が誇らしいというのか、自分の行動でいたく満足げなミラーの姿を見ればアリシアのペンを持つ手にも力が入ろうというものだ。
勿論、さぁ書くぞという意気込みなどからでなく、怒りという感情からであることは言うまでもない。
アリシアは思わずそのままペンをへし折りそうになる。
 
(一体いくらするのかしら)
 
ペンを持つ手を震えさせながらアリシアは場違いな考えにひたる。
シンプルながらも品の良い作りのペンは、フェルデナンデス家で使われるほどのものだ。
決して安くはあるまい。
厳かな思いなど今ので一気に吹き飛んだ。
そう、先ほどまではアリシアとて婚姻届を前に一応厳かな思いだったのだ。
名前を書くだけだというのに、柄になくその行為に多少の緊張があった。
だからこそ手を止めて気持ちを落ち着かせようとしていたのだ。
 
(それなのに、こいつは…)
 
アリシアは殴りたくなるのを寸でのところでおさめる。
常に傍にいるあの使い魔であれば、速攻で殴っているところだ。
 
「やめた」
「は?」
 
急にこぼされたアリシアの言葉にミラーは目を見開く。
 
「やめたって言ったのよ。バカらしい…」
 
手に持っていたペンをころんと軽く机に放り投げ、アリシアは肩にかかった髪をばさっと払いながら鼻を鳴らした。
目出度いことのはずなのに何故こんな気分にならなければいけないのか。
やはりアリシアとミラーの関係はどこまで行っても変わりそうにない。
アリシアとて何も急にどろどろと甘い関係を望んだわけではない。
むしろそんなもの反吐が出そうである。
それでも今日は特別な日である。
 
(それなのに…)
 
何故こんな気分にならなければいけないのか。
同じことが怒り沸騰のアリシアの脳裏でぐるぐる回る。
 
「なっ、何を言っているんだ。君は!」
 
急変したアリシアの態度に、先ほどの態度はどこへやらミラーはおろおろと慌てだす。
 
「もう双方の両親には了解済みだし、既に周りへのあいさつ回りも済んでいるんだ。それなのに今更そんなこと…」
 
慌てるミラーの口からこぼれるのは体裁の事ばかり。
それがまたアリシアの気に障る。
 
「別に良いじゃない。後で離縁するよりよほど体裁が良いわよ。」
 
アリシアも苛立ったままに思いもしない事を口にしてしまう。
 
「……」
 
しかし、先ほどまで慌てながらも興奮して喚きたてていたミラーは黙り込んでしまった。
それに今度はアリシアが内心慌てだす。
いくら苛立っているとはいえ、アリシアとて好んでミラーを傷つけたいとは思わない。
いつもいぢめたいと思っていても、それと傷つけることは違う。
 
「・・・だ…。」
 
黙りこくっていたミラーからぼそりと言葉が聞こえてきた。
 
「君は僕と結婚するんだ!離婚なんて絶対に許さない!君は僕のものだ!!」
 
険しい顔でまくしたてるミラーに今度はアリシアが目を見張る番だった。
これまでミラーはアリシアを手に入れると言っても、アリシアに対する所有権を強く主張することはなかった。
貴族の家に生まれ、幼少の頃から身分というものを痛いほどによく理解していたミラーは、
シンフォニアに入って力を付けても、学園を出て確実な地位を手に入れても、
アリシアの前でいくら自信ありげに振る舞っても、自分の名前を名乗らせると息巻いても、どこかアリシアに対する一線を消せないでいた。
自分が優位に立つことに、この綺麗な生き物を支配することに喜びを感じていたことは本当だが、それでもアリシアはその態度にどこかやり切れない想いを抱いてもいたのだ。
そのミラーが力強くアリシアの両肩を鷲掴み、美しい顔を歪めて叫んでいる。
そのままアリシアを揺さぶらんばかりの荒々しさで、アリシアを自分のものだと言う。
 
「馬鹿ね。あんたが私の物なのよ」
 
じわりと滲み出しそうな涙をごまかし、アリシアは目の前のミラーの頬を両手で包みこむ。
 
「アリシア?」
 
アリシアの急な行動に面食らったのか、先ほどまでの険しい表情はどこへやら、ミラーはふっと力を抜いた表情で正面のアリシアを見つめ返す、
先のアリシアの言葉をまだ引きずっているのか、その声はどこか弱弱しい。
そのことにアリシアは申し訳なさでいっぱいになる。
 
「馬鹿ね、あんなの冗談に決まってるじゃない」
 
さらさらと目の前にある髪を梳きながらアリシアは囁く。
それにミラーは頬をほんのりと染め、こそばゆそうに目を細める。
その幸せそうな表情にアリシアも表情を緩める。
 
「まったく君というやつは…」
 
何かを悟ったのか、ミラーはそれ以上何も言わずアリシアを軽く詰り苦笑を漏らす。
 
「さっ、早く書かないとね」
 
机の上で放置された婚姻届にアリシアは再び向かい合う。
ぱっと身をひるがえしたアリシアにどこか残念そうな顔をしたミラーが、アリシアの視界の端に映ったが今は構ってやる時ではない。
弄りまわしたい気持ちをぐっとこらえてペンもつ。
ミラーを可愛がり倒すのは後のお楽しみだ。
先ほどまでの緊張はどこへやら、アリシアは淀みなくさらさらとペンを滑らせて自分の名を記入する。
ミラー=フェルデナンデス記入された横に、アリシア=ヒルデガルドと自分の名前が並ぶ。
 
「これでやっと僕のものだ」
 
並んだ名前を見て嬉しそうに呟くミラー。
これが正式に受理されれば2人は晴れて夫婦となる。
 
(誰かさんに燃やされないようにしなくちゃね)
 
嬉しそうなミラーを、同じく嬉しそうに眺め、
アリシアはふふっと笑いながら部屋を追い出された使い魔を思う。
感極まった彼ならやりかねない。
しかしそれでも最近の彼の態度はだいぶ軟化してきているのをアリシアは知っている。
口やかましく言っても、己の主人にあくまで忠実な彼はアリシアの幸せを第一に考えてくれる。
 
「言ったでしょ?あんたが私の物なのよ?」
 
聞き捨てならないミラーの台詞に対抗するようにアリシアは先ほどと同じセリフを囁きながら、
嬉しそうに婚姻届を見つめるミラーの視線を遮るように、アリシアはミラーににじり寄りその膝上に乗った。
再度言われた言葉に言い返そうにも、そのアリシアの行動にミラーは顔を真っ赤にしてはくはくと口を開閉し何も言い返さない。
 
(何をいまさら・・・)
 
相変わらずどこか清純さを失わないミラーを鼻で笑いながら、アリシアは何食わぬ顔で膝の上を占領する。
 
「君は本当に性質が悪い…」
 
ぼそぼそと呟きながらもじっと熱で浮かされたようなミラーの瞳で見つめられ、アリシアの中にもじわっと熱が広がる。
 
(可愛い…)
 
アリシアは捕食者の気分で目をすっと細めて、するりと目の前の頬をなでる。
それにびくりとミラーの体が大げさに揺れて、アリシアはこみ上げる笑いが抑えきれない。
 
「僕のものだ…」
 
アリシアを抱きしめ首筋に顔を埋めるミラーの、誰に言うわけでもなく呟かれた言葉がアリシアの耳にも届く。
そこに籠った熱と、どこか縋るような必死さが心地よい。
 
(そうね。あんたのものになってあげてもいいわ)
 
顔に、首に落されるミラーの口づけに身をよじりながら、アリシアはどこまでも上からな態度を崩さす内心で独りごちる。
そんな関係が2人にはお似合いなのだ。
それでも少しずつ変わっていくものもある。
 
(あんたは私のもので、私はあんたのものだわ)
 
絶対口には出さない小っ恥ずかしい台詞を胸中で呟いて、アリシアは噛みつくようにミラーの唇を奪った。

お粗末さまでした~
いかがでしたでしょうか?
goodend後のミラアリで結婚話でした
なんかあの2人なら婚姻届1枚書くのももめそうだよなぁ、とおもって書き始めたネタです
んで、考えていくうち、ミラーのアリシアに対する遠慮とかこれはいずれ2人の間でぶち当たる問題でないかなぁ、なんて妄想してこんな話になりました
自分ではキャラ崩壊しないよう気を付けたましたが、似非もいいところだったらスイマセン…
しかし、途中から2人で勝手に喧嘩し出すし、ホント色々今回のは難産でした
しかも私が書くと何故かミラアリならぬ、アリミラに…
不思議…
少しでも楽しんで読んでいただけたならうれしいですv
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